投稿

2015年12月25日~癌告知

今から数年前、健康診断で乳房内の石灰化が見つかった。当時それは悪性なものではなかったのでそれを機に半年に一度大学病院で経過を診てもらうことになった。

それから2年くらい経った2015年11月、石灰化部分が硬くなり異変を感じた。次の診察予約を早め病院へ行くと、詳しい検査を受けることになった。エコー(超音波)やマンモグラフィー(X線乳房撮影)だけでなく、造影剤を使用してのMIR検査に組織を採取する生検など、一ヶ月ほど費やし最終的に乳癌であると診断された。検査内容が徐々に大がかりなものになっていったからなんとなく覚悟はしていたけれど、実際に癌であると告知をされると自分の周りの音が一瞬消え、思考も動きも止まった。嘘であって欲しいとこの時ほど強く願ったことは今までにない。診察室では冷静な態度を装って話を聞いていた、でも動揺して混乱していたのだと思う。

驚きが強くて話している内容がほとんど頭に入ってこなかった。今でもこのクリスマスは生涯忘れられない日となってしまった。

早期ガンでステージは1だと言う。手術は1月15日にと提案されたが、2月中旬にして欲しいとお願いした。それは1月に、南米大陸最高峰の山、アコンカグアへ行くことにしていたから。主治医の了承を得て手術は延期し、手術に備えた検査等は先に受けた。
早く見つかってよかった、取ってしまえばいいのだろうとこの時は軽く考えていた。1月に入ると自覚症状もないので病気に対する意識が薄れ、南米への準備に忙しくしていた。初めての本格的な海外での高所登山に挑む、大した経験も無く行くことにしたので何から準備したら良いのかさえわからなかった。

南米登山へのきっかけは倉岡さんを紹介されたこと。アコンカグアへ行きませんか?といきなり言われ、高所登山がどんなものかも知らず、行きたいです!とその場で返事をした。それはもう山登りをやめたいと悩んでいた時にやってきた想像をはるかに超えた誘いで、何か運命的なものを感じたからかもしれない。この時この方にお会いしなかったら、今のわたしのチャレンジはないと言ってよい。

関連記事一覧

検索

新着記事