旭岳周遊
ようやく晴れ渡る日がやってきた。ロープウェイ駅に降り立つと朝の気温は9度と低くジャケットを羽織ったまま歩き出した。今年は初めての旭岳、紅葉の時期にはまだ早いがその頃は混雑が激しいので行かないようにしている。
今日は体調というよりも靴の調子を見て山頂の往復か一周回ってくるか決めることにした。それは前回の山歩きからソールを抜いてそれを入れ戻すのを忘れてしまったから。失敗を嘆いても仕方がない靴下で調整してやり過ごすことにした。
とてもよく晴れ渡り、風もなく穏やかな日だった。
硫黄の匂いが懐かしい。
山頂まではほぼ一定傾斜の登り道で足元は火山礫。前に踏み出し蹴りが強いと後ろにずるっと滑る道だけどゆっくりと休みながらでも2時間かからずに山頂に行ける。
歩きにくいのはソールがないからか?火山礫が滑るからなのか?それともその両方なのか定かではないがこのまま行けそうだから裏に降りて周ることにした。
このルートの核心はこの裏に降りる道。かたい表面に細かい火山礫がうっすら乗った道は雪道よりもタチが悪くかなり滑る。その滑りに身動きとれずに座り込んでいる人もいるくらいだ。その下りが終わるととても歩きやすくなり広大な景色が目の前に現れる。
いくつかの分岐を姿見ロープウェイ駅へ戻るように曲がり、周遊していくと中岳温泉にたどり着く。
温泉が沸いているところで足湯を楽しむ人もいる。私は山歩き中は冷たい側に足を入れて引き締める方が好きである。すると足の熱が取れてむくみも取れて靴に足がスッと入り軽くなる。
そこから裾合平まで来ると群生するチングルマの色付きが見られた。壊れた木道を修理するたくさんのボランティアの人に出会い感謝しながら姿見平へと足を運ぶ。
道は平坦であってもこのあたりから疲れが出てきて最後の1.9キロがとても長く感じる。
その疲れを癒してくれる鏡池や満月沼を眺めて駅に戻った。
爽やかな秋晴れを久しぶりに満喫することができた。