夏山トレーニング

7月の終わりからフランスの山岳リゾートであるシャモニーへ行くことになりました。初めての海外登山で訪れてから毎年夏に通っていた町で、モンブラン、アイガー、マッターホルン登頂などたくさんの思い出が詰まった場所です。数年ぶりに現地ガイドのローホンに連絡を入れると、どこに挑戦する?と意気揚々な返事が来ました。私としてはどこにも挑戦はする気持ちはなくて、日帰りの山歩きとクライミングをしたいだけと伝え、もう、大変な山へ行きたい気持ちはすっかり冷めてしまいました。
それでも行くのなら事前に山を歩いて、体を慣らしておく必要があります。まずは西丹沢の大室山へ。ヒル対策をして丹沢に詳しい知り合いにマイナールートを案内してもらいました。
6月末まで途中のルートは工事中だから、トンネルを抜けるという。それなら歩き易いなぁと思っていたら、登山道を外れてトンネルに向かう下り道にはピンクテープがほうぼうに巻かれていました。迷わないようにと地図を見ながら方向を確認しての急傾斜地の下りでした。30分以上下って、今は使用されていない道路に出た時にはホッとして、その先にあるトンネルを見つけた時には呆然と佇んでしまいました。
出口の光を目指しておよそ650mのトンネルを抜けると、今度は折り返しの車道が続いていました。歩き易くても想像よりも距離があり見覚えのあるキャンプ場を過ぎ、ビジターセンターに戻ったのは17時を過ぎていた。陽は明るくて8時間以上の山歩きになりました。他の皆さんが檜洞丸を目指していた理由が歩いてみてわかりました。その翌日から待っていたのは久々の両足の筋肉痛。最近は長い距離歩いていなかったのでとてもよい刺激になりました。
そして曇りの続く毎日の北海道では、山開きしたばかりの富良野岳へも行きました。この山の木階段は登りやすくて、登山道の土嚢は麻紐で編まれた袋が使用されてます。雪解けが進み、例年よりも残雪量は少ない。高山植物も咲き始め、風の穏やかな登山日和でした。
ここでも多くの人とは反対周りで上富良野岳から三段山に回り、富良野岳の山頂へは行かずに歩いてきました。それでも大雪山系の山は火山灰の道で、滑りやすいところが多いので足の裏の筋肉をたくさん使いました。
夏の本州の山は暑いので北海道の山歩きをしてきたけれど、6月の終わりでも今年はもう暑い。真夏のことは今は想像しないでおこうと思います。
そして、1年ぶりにミウラドルフィンズの低酸素トレーニングへ行きました。今まで登った海外の山々を振り返りながら、5000m相当の酸素濃度の部屋で、ただ椅子に座りテレビを見て過ごしていました。頭がくらーっとする感覚や体の痺れにはなんだか気分が上がると、嬉しい感情が出てきました。もしかしたら低酸素中毒になっているのかもしれません。
帰る時にいただくデーターもとても結果が良かったです。出発前に富士山へは登れないけど、低酸素室トレーニングと北海道での山歩きで仕上げていきたいです。シャモニーの町はどうか今まで通りに涼しくあるといいな。