北海道の秋山
北海道の旭岳は9月26日に初冠雪が観測された。本州の方ではまだ暑い日があるけれど、北海道はストーブが必要な日が増えてきた。山の色付きも一気に進み、雨の日には山では雪が降る季節になった。旭岳はロープウェイで誰でも山の中腹へ行けて、そこにある自然風景の素晴らしさを気軽に楽しめるからなのか以前に増して海外からの観光客が押し寄せている。
山歩きの好きな方も紅葉の時期に登山にくる人が一番多く、ちょうどその頃が連休と重なり早朝のロープウェイには長蛇の列ができるようになった。
それは夏に行ったフランス・シャモニーでの賑わいと同じようで、予約なしでロープウェイチケットを購入すれば乗車できるのはその2時間後になったことが思い出される。
旭岳の場合は乗り場へ行く前に駐車場へ向かう道路にも渋滞が発生する。だから混雑のない日に天気が良く、最盛期の紅葉を見るには運に頼るしかなくなった。
だから最近は富良野岳に行くことが増えた。今年のナナカマドの赤は情熱的で美しい。
去年のような雪と紅葉のコントラストを期待しても、雪が降らないと霜と紅葉の景色になる。自然が織りなす景色は日に日に変わり、自然が厳しいほどその変化が極端になる。同じ景色に再びお目にかかることはないので、その出会った瞬間を大切にしたいと思う。
そんな気持ちで日常も送れたらより豊かな気分でいられるような気がする。山登りが大変であればあるほど達成できた時の喜びが大きくなるように、毎日の生活できついことが出てきたらそれはこれから良いことが起こる前兆なんだと思う。そういえば、嫌なことがあるとどんな良いことが起こるのかと楽しみにしていると誰かに話した気がする。
私の今年の北海道での山歩きはおしまい。また来年どんな景色を見せてくれるのかとても楽しみだ。