鳩さん来ないで

平和の象徴といえば鳩。その鳴き声が夜になると聞こえてくる。どこから聞こえてくるのだろう？そういえばベランダの床にフンが落ちていて掃除してもしばらくするとまた落ちていたことがあった。インターネットで鳩よけグッズをみると色々な種類のものがある。まずは手軽にキラキラ光る吊るすものを設置してみた。風に揺れてカサカサという擦れ音は気になるけれどベランダが汚されることはなくなった。

それから1ヶ月が経ったころ、またフンを発見。いろんな場所をよく見ると室外機やダクトカバーの上にはフンと羽が沢山落ちていた。鳩のフンには真菌やウィルスなどが含まれていることもあり感染したり、アレルギー反応が出ると言われている。ある晩、鳴き声を聞きベランダへ駆けつけると2匹の鳩が上の方に止まっていた。暗くて目が見えないだろうけど、追っ払った。彼らがいたその下にはまたたくさんのフンと羽が落ちていた。

このままではいけない今度はフクロウの置物を置くことにした。風で首が動いて鳩などが驚いて来なくなるとある。注文して置物の中に入れる重しの玉石を買いに行くまでの準備している間にもフンの被害が続いた。ようやく設置することができて様子を見に行き驚いたのは私だった。夕方の薄暗がりに何かがいる！なんだ！と思ったのはその置物。これならきっと上手く追っ払えると確信した。それから数週間は平穏な日々だった。しかしまたフンが！置物は本物ではないとわかってしまったようだ。でも集合住宅の沢山あるベランダでなぜうちにやってくるのだろうか？

そして、次に設置したのはバードスパイクというトゲトゲしたもので止まれなくするもの。高い脚立がなくて設置するには窓の枠を利用して上り、掃除してから粘着テープでの固定が必要だった。掃除には毎回厳重装備で臨み、マスクを2重に手袋を付け使用したものは全て密閉袋に入れて破棄していた。スパイクはそんな全面にびっしりとおく必要はないだろうと、間隔を広めにして様子を見ることに。

鳩が嫌がる臭いのタブレットも吊るし今度こそ完璧だ！と頷いた。鳴き声がしなくてフンの落ちていない日々がようやく取り戻せた。最近の涼しい日にはエアコンをつけずに窓を開けるようにしている。日が落ち薄暗くなった頃に、なんとなくベランダの床に目をやると羽が落ちている！外へ出てみたら、今までとは違う場所の24時間換気のフードの上に鳩がいた！フクロウの置物には驚かず私に驚いて飛び去っていった。完璧なはずの防御策がまたまた打ち破られた。すぐさまヘッドライトをつけて隙間なくスパイクを設置。

それを機に夕方の暗くなる前に家にいる時はパトロールもして、鳩が巣を作る前に私の家だとアピールできたと思う。これまで、熊に出会ってしまったら、声を出さず目を離さず後ろに去ること。スズメバチがきたなら払ったり走ったりせずにじっとする。猿の群れに囲まれたら目を合わさずに静かに去る、などなど山で遭遇する生物の対処法を頭に巡らせてきた。そして自然生物との共存は大切にしたいと常々思っている。それでもいずれの生物にせよ虫なども含めこっちには来てほしくない。鳩の場合は音を立て脅かせば去っていくけど、また戻ってくる。鳥は好きでもフンなどから感染する可能性が高い生き物は自分のテリトリーに入れることはできない。最終兵器の駆除業者には依頼したくないから、もううちには来ないでね。