ブルーベリーと音楽

庭に植えて数年になるブルーベリーの苗は5本。しかし、毎年実をつけてくれるのは、そのうちの1本だけ。専門家のアドバイスをもとに、土壌の酸度を調整したり、専用の肥料を施したりと手を尽くしたが、それでも報われないまま、ついには今年、2本が枯れてしまった。
そんなタイミングで、ちょうど苗木のセールに遭遇した。これはチャンスとばかりに、新しい苗をお迎えすることにした。店先の苗リストをみると、ブルーベリーには実の大きさや味、硬さなどにバリエーションがあり、品種ごとに個性がある。そして何より、品種名が学名ではなく、人の名前や、アメリカの大学名が付いた種類が多く、ラベルを見ているうちに「今の私にはハーバードよりもバークレー(音楽院)だな」と、即決。
というのも、ここ最近、私はほぼ毎日ドラムの練習に夢中になっている。小学生のとき以来、、、いや、当時よりも熱心かもしれない。楽器があるときはもちろん、旅先ではスティックだけを持参し、ホテルの枕をセットに見立てリズム練習。自宅でもクッションをドラム代わりに、つい叩いてしまう。
上達しているかどうかは謎だけれど、こんなに「できないのに楽しい」ことに出会ったのは初めてだ。そんなわけで、音楽つながりの品種名に惹かれて、寒冷地向けノーザンハイブッシュ系の“バークレイ”に決定。後で調べてみると、どうやら育てやすいけれど病気にやや弱いらしい。それを知って、ますます親近感が湧いた。繊細だけど、ちゃんと実をつけてくれるんならそれでいい。今年はすでにいくつか実をつけていて、収穫も楽しめそうだ。
ドラムの練習のように、たとえ時間がかかっても、来年も少しずつ、たくましく育ってくれたらうれしい。
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