9年目検診とピンクリボン月間

10月はピンクリボン月間である。乳がんの早期発見と早期治療を呼びかける大切な季節だ。
乳がんは早期に見つけて対処することで、10年後の生存率が約90%に達するともいわれている。
私はちょうど今年も年に一度のがん検診と診察を受け、転移や再発がないことを確認できたばかりである。
主治医から「来年で治療開始からちょうど10年になりますね」と言われ、改めて年月の重みを感じた。最初の5年、次の10年と節目を目標にがんと向き合ってきた自分を思い返し、少しだけ感慨深くなった。ホルモン由来のがんは、時間が経ってから転移することもあると聞いており、これからも今までのように過ごしていきたいと思う。今回の検診では頭部を除く全身チェックが出来て、その結果、子宮に筋腫が見つかったので12月に予定していた婦人科の予約を早め、11月に受けることにした。
検査内容は、血液検査、体幹部のCT、そして造影剤を使用した胸腹部MRIである。検査時には毎回ちょっとした緊張が伴うが、年季の入った準備力で無事に乗り越えることができた。
今回は、MRI検査中のあの騒音が、今年は妙に“音楽的”に聞こえたことである。ドラム練習を始めた影響かもしれない。工事現場さながらの轟音が、不思議とビートを刻むリズムに聞こえ、しかも部屋ごとに音が違うことに気づいた。技師に尋ねると、撮影部位によって音が変わるという。うつ伏せのまま40分間動けないつらさは相変わらずだが、ビートを感じながら検査を受けると、不思議と前向きな気分になれた。
また、啓発活動の支援の一環として行ったティッシュの配布も無事に終了した。申込期限をうっかり過ぎてしまったが、J・POSH事務局の担当者さんが快く対応してくださった。その後、発注数を間違えてしまうという別の失敗もあったが、東川町役場、美瑛町の美術館、旭川市の病院の職員の食堂と限られた数を適切な場所へ届けることができた。失敗は成功のもと。今回の経験を次回に生かしたいと思う。
全国各地で自治体や企業を通じてピンクリボン運動が展開されている。検診は義務ではないが「自分には関係ない」と思わずに、自身の体に目を向ける大切な時間だと思って欲しい。
啓発月間の後は検診の予約が混み合うことも予想されるが、今こそ行動のきっかけにしてもらいたい。たとえ少し先の予約となっても、受けるという意思を持つことが何より大切だと思っている。
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