がん検診2022
今年も全身的な癌検査の時期がやって来た。この検査を受けると後数ヶ月で年が変わると感じさせられる。
通常の採血から始まりその後骨シンチグラフィー検査の為の放射性医薬品を注射する。この注射の後4時間後の撮影までの間にCT、造影剤を使用してのMRIとマンモグラフィーを受けるスケジュールだった。
一連の検査はもう何度も受けてきたので様々なコツがわかるようになっている。まず腰のCTではボタンやジッパーの付いたパンツやスカートなどは着て行かない。下着を含めて金属類や装飾品のある服で検査には行かない方が良い。ジーンズを履いて行った時、横になりタオルをかけた状態でモゾモゾと尻の下まで下げ撮影がされた。しかし撮影後ジーンズを上げる前に男性検査技師にタオルを剥がされたことがあった。かなり嫌な思いだった。もちろん抗議をしたがウエストがゴムの服を着て行けばそういうトラブルを避けられる。
マンモグラフィーはこの大学病院では女性技師さんが行なってくれるが他では男性技師さんが受け持つところもあるという。乳房を挟む為に体勢を調節する時に身体が密着するし上は裸、それを男性にやってもらうのは信じがたい。検査を遠慮する人を減らすためにも安心して受けられる環境が整うことを切に願う。そして、痛みも伴う、特に術側は放射線治療で皮膚が硬くなっているから反対側よりかなり痛かった。うつ伏せで行なう胸のMRIでは位置確認するために覗き込まれるので始まりは女性が担当してくれて、撮影後は前を閉じるまでは見ないでくださいとはっきりお願いした。お昼過ぎにほとんどが終わり、一度お昼を食べに外に出た。今までの検査での嫌な問題を解決しながら受けることができた。
午後に再び核医学の部屋に戻った。そのエリアのドアには放射能のマークがあちらこちらに貼られている。
呼ばれるまでそのマークを見入っていたら、思い出したことがある。
数年前、定宿にしている屋久島のホテルに山の荷物を送った時のこと。スプレー缶が入っているから陸送で日にちに余裕を持たせて手配をしていた。それなのに荷物の受け取り確認がなかなかできなかったのだ。ホテルへは郵便局からこの荷物は宿泊客の物なのかと問い合わせがあったり、到着ギリギリに届けられた荷物はいつもなら部屋に入れてくれているのに奥の物入れから出てきた。いつもと違う対応に疑問を持ったけど、一緒に行った友人が箱見て「このマーク、怪しい感じがするから警戒されたんだよ!!」と言われた。
この時私が使用した段ボール箱には今回と同じ放射線マークがついていた。その頃ちょうどテロ事件が頻発していた事もあり、郵便局員さんをはじめ島の人が危険物が送られたと困惑していたようだった。そんな一連のことを全身の骨の撮影時に思い出してしまい、動いてはいけない、笑わないようにと思うほど笑いが込み上がってきた。堪えるのが大変で、そのことがさらに可笑しく思えて必死にじっとしていた。
この日の検査は撮影が多く固い台の上に長い時間横たわったことで腰が痛くなってしまったけど、大切な検査の最中に笑いが起こったことに私は幸せなんだろうかと思った。
今回は嫌な思いをせずに最後は笑って検査を受けることができた。(笑笑笑)