表彰状
エヴェレストチームの鈴木さんから7月22日空いてませんか?と連絡が来た。中野で行われるネパールフェスティバル2023で登頂者を表彰してくれると言う。丁度予定が空いていた、何かがあったとしても変更して行くつもりだった。表彰をしてもらえるなんて生涯あるかないかの稀な事柄だから。
四季の森公園入り口で10時30分にチームメンバーと待ち合わせた。久々の再会に二人は変わらずに元気いっぱいでまだ日焼けの顔だった。
スタッフに導かれ会場奥の来賓待ち合いのテントに案内されると表彰式までに2時間以上あることを知らされた。暑さの覚悟はしていたものの風が来ないとテントの中でもとても辛い。
屋台の前を通ると蒸気に乗ったスパイスの香りが漂い、雑貨屋には現地を思い起こす小物や工芸品が並んでいた。待ち合いテント前では私服のお巡りさんさんが日向で袋を配っている。私にも頂けませんかと尋ねると、是非とも知り合いのネパールの人に広めて下さいと頼まれた。中には詐欺に加担しない、誘わない、怪しバイトや不法就労しないでと言うネパール語で書かれたリーフレットが入っていた。
人が少しずつ増えて開会式が始まると舞台の前には人が集まって来た。舞台の上には主賓の方々が着席し、開会の挨拶の後に両国国歌が流れてテープカットが行われた。続いて民族音楽の演奏や主賓の方々のスピーチ。スピーチは聞き流していたがネパール語で話しているつもりが日本語になっていたと会場を沸かせる一面もあった。
暑さに耐えながら式典はゆっくりと進み想像通りに進行時間は伸びていた。いつになったら呼ばれるのだろう?アスリートのIKUちゃんは待ち時間に片足スクワットをしている。鈴木さんは あ、呼ばれる!?と言っては何度かテントから飛び出しては戻って来る。待つことには慣れている3人のはずなのにまだかまだかと落ち着かない。そしてネパールに貢献した人が次々と呼ばれて表彰が始まった。
いよいよだ!と頭を上げても順番は来ない。ネパールの言葉はわからないけど、”エヴェレスト”といろんな方が口にするから自分達かと紛らわしい。ネパールの人々にとってエヴェレストはとても神聖で特別な山であることを再認識した。次第に気が緩みゆったりと構えていたら急に名前が呼ばれた。舞台の袖から上がり順番に表彰状を受け取る。その間には着席している区長さんや議員さんが私に凄いな、酸素は使うの?その話が聞きたいなどと話しかけてきた。手作りの木枠に収められた表彰状を手に記念撮影をしてテントへ戻るとお弁当が配られた。
とても美味しい!そしてとても辛い。ほぼ完食して体が中からも外からも暑い。入れる袋が見つからずに木枠の表彰状を抱え家に戻ると体がだるくなっていた。ネパール政府からの登頂証明書も手元に届き、ぐったり感は喜びの重さとなり、登頂して帰国出来た喜びをしかっりと感じることができた。
今回の表彰は鈴木さんが帰国する飛行機へのバスの中で在日ネパール人協会副会長さんと出会ったことで実現した。日本での敏腕営業マン、海外でも本領発揮してくれたことに感謝いたします。