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手引きカートとショートコース

連休にゴルフのショートコースを回ってきた。渋滞を避けるため、久しぶりに日の出前に起床。まるで雪山の山小屋から深夜に出発する登山のようで、ゴルフとは思えないスタートだった。

今回ご一緒したのは練習仲間のMs. Sato。河口湖CCの練習場で合流したが、すでに人でいっぱい。打席が空くのを待つ人々の視線は、まるで獲物を狙うハンターのようだ。まだショットが安定しない私は『この列の目の前の席だけは空かないで』と祈るばかり。だが順番になると、よりによって目の前の打席が空いた。即座にMs. Satoに譲り、私には『もっと端っこを!』と心で念じた。幸い、少し離れた打席が空き、最近取り組んでいる反復練習を30球ほどこなした。

その後、ショートコースへ移動。今回の目的は苦手なアプローチの強化と、新しく手に入れた距離計の試用である。このコースは手引きカートでクラブを運ぶスタイル。飲み物や荷物をしっかり固定して、空いていた10番ホールからスタートした。

最初からバックティーの147ヤード*はさすがに躊躇し、前方の77ヤードから挑戦。足元はゴムマット、ボールは人工芝に置く仕様だ。初ショットはまずまずだったが、短いティーがなくなり、予備はもう一つしかないので落ちている物を拾って使うことになった。グリーンは湿っており、パターで転がすとボールに水滴がびっしりついた。距離計は徐々に使いこなせるようになり、これは必需品だと確信した。

普段は暴れん坊のドライバーショットが、この日に限って人が変わったように真っ直ぐ遠くへ飛んだ。その一方で肝心のアプローチは相変わらず迷走。それでも後ろに人が控えていても落ち着いて打てたのは自信につながった。そして最大のハイライトは、ギャラリーが多い1番ホール(137ヤード)でワンオン&バーディーを決めた瞬間。グリーンの上で思わずガッツポーズをした。

コース全体はアップダウンが激しく、手引きカートを曳いて歩くのは想像以上に体力を使う。南極やアラスカ登山でソリを曳いた経験が頭をよぎった。標高1100mでは息切れはしないものの、最近歩いていない身には良いトレーニングになった。

そして何より感激したのがお昼ごはん。地元食材をふんだんに使ったメニューがずらりと並び、何を選んでも良い。Ms. Satoの頼んだ焼肉定食は、手のひら大の肉が5枚も!山盛りキャベツに豚汁、白ご飯までついて圧倒的なボリュームだった。私の頼んだぶっかけうどんにも、一本分の揚げナスに大根おろしや彩り野菜が豪快にのり、味も申し分ない。ゴルフは回り放題なのに、食べ終わった時点でお腹も練習も満たされてしまった。

今回鮮やかだったのは、Mr. Satoのアプローチ。カップ脇にピタリと止まるボールに惚れ惚れし、いつか自分もあんな風に打てるようになりたいと強く思った。

手引きカートは電動カートのように楽ではないが、脚を鍛え、有酸素運動にもなる。ゴルフと登山が少し融合したような一日。たまにはこうして「歩くゴルフ」を楽しむのも悪くない。

*1ヤード≒0.9m

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