ピンクリボンフェスティバル
乳がんの早期発見のためにみなさんに検診を受けてもらいたい。
そんな思いを伝えるポスターのデザインが毎年公募されている。
今年の大賞はこちら
これを目にした多くの患者さんやその家族の人がショックを受けた。
ネット上でも非難の嵐が起こってしまった。
私が見た時は嬉しいはずのくじ引きなのにがんが当たるなんて引きたくないものを引いてしまった、まさにガーンと落ち込む衝撃が走った。さらにかつて自分が医師から検査結果を言い渡されたあのがん告知の瞬間も蘇った。
あの時は診察室でしばらく耳が遠くなったし、足元がなくなり体が宙に浮いた感覚になっていたことを今でも忘れていない。
過去のグランプリでも、性差別的であったり女性の体が他人の所有物であるかのような表現には物議が醸されてきたものが多い。
どんなものでも多かれ少なかれ批判というものは無くならないだろう。
ただ目にした多くの人を傷つけてしまうものが大賞に選ばれるのは本来の趣旨から外れてしまう。
私の治療も5年が過ぎた。10年経っても今のままでいられたらお祝いをしたいと思う。
手術後からの治療は楽ではなくて何度も辞めたいと思ってきた。
何かあるごとに辛くてどのくらい泣いて来たかもわからない。
なぜ私なの?何のために辛い治療を続けるのか?治療を放棄して余命が縮まったとしてもそれを覚悟に人生を謳歌しようか?そんなことばかりを毎日考えていた。
混乱して先のことが見えなくなっていたけど、癌の先輩方の言葉を信じて続けて来たから今がある。
大変だからこそこれまでやって来たことを無駄にしたくないし、
今は違う理由で行けないけどいつかエヴェレストの頂に立ちたいという目標もある。
今では9人にひとり乳がんという事実があり
早く発見することで治療ができたり将来に大きな可能性があるのだと思う。
だから皆さんにも定期的に乳がん検診を受けに行ってほしいと願う。
そしてより良い啓蒙活動のあり方を見つけてほしい。