低酸素室トレーニング

今季3回目の低酸素室は5500m相当でのトレーニング。今日担当してくれるKさんは一緒に何度か山歩きに行った仲である。
酸素濃度が10.2%になっていた部屋に入ると3分経たないうちにすぐに体の変化を感じた。
後頭部の痺れと頭がふらつき始め、意識が少し遠き腹部にも痺れが起こった。血中酸素濃度を測るオキシメーター(SPO2)は一気に70%になり、その状態でいたら実際に行った高所での息切れ体験がフラッシュバックする。また高所登山にチャレンジするためにも呼吸に意識を向けて頑張れ頑張れと自分に聞かせていた。15分ほど強めの呼吸を続けていたら少し楽になり、また普通の呼吸に戻すと目の前が霞んだり体が熱くなったりした。
トレーニングを始めてから45分が経過して部屋の酸素量は9.9%になっていた。これはキリマンジャロ山頂に匹敵する状態である。目の下がピクピクして背中の下の方も痺れてきた。今日はトレッドミルで歩く練習もしたい。ふらつきがあるから左右のバーに掴まりながらとてもゆっくりと歩き始めた。少し慣れてから傾斜をつけて腕を振りながら歩き始めたら、動いたほうが体が楽に感じた。15分歩いた後は座って安静にしていたが部屋の酸素量は9.7%~9.6%になっていた。
たまにKさんが様子を見にきてくれるが大丈夫サインを出してそのままの状態で練習を続けることにした。痺れたり頭がクラクラもする。SPO2が60%まで下がると心拍数は上がり呼吸を意識するとSPO2は94%に回復して心拍数は落ちてきた。
最後の20分は体が慣れてきたようで普通の呼吸でもSPO2 90%くらいを維持することができた。90分間のトレーニングは今回も楽ではなかったが想定標高は6000m位の練習ができてよかった。低酸素室から出るとしばらくは体がフワッと浮いている感覚が残り、元の感覚に戻るのに10分以上かかった。家に戻ると床に敷くための古新聞に偶然目が止まった。記事にはオリンピックの延長で不安を抱える選手が多いとある。。それを読んで低酸素室でのトレーニングは再開したけど自分にも心の何処かで先の見えない不安があることを認識した。