高尾山へ

紅葉の美しい高尾山へがんサバイバーの方々をご案内してきました。
高尾山は紅葉の時期が一年で最も混雑するとも言われています。混雑を避けながら紅葉を楽しむにはどうしたら良いか?地図を眺めて歩くルートを考えました。山歩きが初めての人もいるから縦走はやめて、その時の体調に合わせて選択肢があるルートがよい。
歩く日が近づくと天気がころころ変わって、その前日には雨が降りました。天気の心配があったけれど、当日は見事な快晴になりました。今年は葉の色付きが遅れて、ルート規制も前日までと良い条件が全て揃い、最高の紅葉狩りになりそうです。高尾駅からバスに乗り、バス停を降りてから5分くらい歩いて山へ入りました。初めは不安そうに歩き出す方も次第に笑みが溢れ、皆さんの笑い声からは元気力が漲っていました。
がんの治療や今ある後遺症は人によって様々。みなさんとがんの話をしながら山を歩いているのがとても楽しい。私の生活の中でその話題を出せば気の毒に思われてしまうだけです。だから今までこんなに自由に話題にする事はありませんでした。セブンサミッツに挑戦している時はトレーニングだけでは解決できない沢山の体調の問題がありました。サポートしてくれる人を頼むのに余分に費用がかかってしまったり、私をケアしてくれる人を個人で雇っていても雪を均しテントを張る作業などを休んでいると、なぜやらないのか?と言われたこともあった。やむを得ず。がんの手術を受けたばかりだと話すとその場が張り詰めた雰囲気になった事も何度かありました
今日は皆さんと色鮮やかな美景の山中で、普段なら口にしにくい話題が自然な会話になっていました。今回の企画は”がんになったら運動をしよう”という活動を行っている真奈美さんから依頼です。私はちょうど高所登山を始めた時にがんの宣告を受け、沢山の禁止事項を病院から提示されて泣き崩れた事がありました。その時は相談できる人はいなくて、冗談じゃない! がんのせいでなぜやりたい事を諦めなくてはならないのか!と悲しみが怒りに変わりました。一度きりの人生、治療しながらやってみようと思って今まで過ごしてきました。
今や2人に1人ががんになります。罹ってしまったら転移、再発、何年後かの生存率などを気にしてしまうかもしれません。もしがんになったら体を動かして欲しいと思います。それは単なる気分転換だけではなく、死亡率が下がり延命するという研究データもあるようです。何の運動をしたら良いかわからない方も多くいらっしゃるかもしれません。悩んでいる方はhttps://ameblo.jp/cancerfitness/entrylist.htmlのサイトを覗いてみて下さい。高尾山歩きでは皆様から元気をいただいて、良い運動になりました。