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がん検診 2024

がんと診断され、手術とその後の治療を続けてもう8年が経った。今は診察と年一度の検査を受けている。毎年9月は検査の日、その内容は初めの頃に比べると項目が減った。今年からは骨シンチ検査もなくなり、血液検査と腹部のCTと胸部の造影剤を使用したMRIの3種類になった。大学病院で診察は予約してもその時間から1時間以上待たされる。今ではどこの病院でも常識になっている。検査の時は時間通りに行われるので無駄な時間がなくて徳をしたように感じる。

検査に行くといつもは何かが起こるが今回は問題がなく無事に終わった。
過去に腰のCT撮影でジーンズを履いて行ったことがあった。ジッパーやボタンが画像に映らないように前を開けてお尻の下へずらして検査した。終わった時にタオルが掛けられた状態でジーンズを履こうとしたら、その前にタオルを取られてとても嫌な思いをした。担当者の名前と出来事を伝え、次からはその人を担当からは外してもらった。それ以来、同じことをされたらその場でやめてほしいと訴える覚悟で臨むようになった。数年続けていくうちに女性技師さんを事前にお願い出来ることがわかった。そして服装は脱がなくても良いゴムが入った、無地な素材を着ていくことを留意している。

MRI検査は事前の準備がたくさんある。磁気を利用しての画像撮影なので、影響のあるものは全て外す必要がある。

検査の前には必ず看護師さんと一緒に再度確認する。体に金属はないかと聞かれ、歯の裏にワイヤーがついているがこれでいつも受けていると答える。最後の生理はいつですか?と言われ、あのーこちらのホルモン療法で止めて、その後は両側の卵巣を取りました。(MRIに関係があるのだろうか?)続いて病歴や手術歴を聞かれて、網膜剥離(別の病院で)、婦人科では腹腔鏡2回と開腹1回の手術はこちらの病院です。後何かあったかもしれないが今は思い出せない、、、と毎年同じやり取りが繰り返される。院内で病歴を記録するようになったらいいなと思う。続いて狭いところは大丈夫ですか?と聞かれ、狭いところは嫌いですと言った。震えたり汗が出たり恐怖があるのかと言われ、それはないと答えた。狭いところが好きな人ってそんなにいるのだろうか?と頭に浮かんで笑いそうになった。一通り質問が終わり、手の甲にルートをとる針を刺してもらった。席を移って順番を待っていると隣に車椅子の年配男性が同じように質問をされていた。手術はねー脳梗塞やった。じゃあ開頭したんですね?さー覚えていないが多分ね。狭いところは嫌だ、なんとかしてくれよーという。それを聞き、同感な思いで視線を合わせ思わず一緒に笑ってしまった。もし我慢できない時は緊急用のボールを握って知らせるということで落ち着いた。

私の検査の番が来た。名前の確認をしてから検査台の上に前を開けてうつ伏せに寝る。体の位置の確認をした後軽く固定され、耳栓を入れた。台がズズズッと動いて止まると音が鳴り始めた。耳栓をしていてもかなり大きな音。その音にはいろんな種類があって、ビートを刻むものから、可愛い音、ヴィーヴィーと体に響くものに工事現場の音みたいだったり、静かになっては突然鳴りだす。下向きに寝ているから狭さは気にならないけれど突発的な轟音にはびっくりついでに手に持っている緊急用のボールを握りそうになった。一度シーンとなり、その後に造影剤が体に入ってきて、腕が血管を伝ってひんやりとした。その時に人の声がしたような気がした。終わってから耳栓をしていてわからなかったが何か話しかけましたか?と聞くと分からなくて大丈夫ですという。聞こえないのになぜ声をかけるのかわからないまま、うつ伏せの30分の体勢の辛さと轟音から解放されて幸せな気分になった。車椅子の殿方も無事に終えられますようにと願い、検査室を後にした。

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