最終稿

バタバタと慌ただしく、出版される本の最終原稿の戻しが終わった。何度、隅から隅まで確認してもおかしなところが湧いてくる。
これでもかと菜穂子さんと会議室にこもり、二人で読み込み探しをしても、見落としがあった。
今度こそと3回目には目を皿のように読み込んでも出てくる出てくる様々な修正。
特にエヴェレスト街道で立ち寄った村の名前は紛らわしい。
パンボチェ、デボチェ、タンボチェ、ディンボチェにロブチェ、、まるで何かの活用形のような名前に振り回されて大笑い。
旅行中に記したメモを引っ張り出し、すでに公開されているホームページとトレッキングマップを広げ謎解きパズルのように調べた。
それでも不確かなものはネパールにいるペンバーに写真を送って、村の名前教えて!と聞いた。
深夜の移動が多かった北米大陸のデナリ、白夜で日をまたいで活動をした時間感覚のない南極話には日にち割り出しに混乱した。
今は2025年で2019年に公開した2016年の話はタイムトラベルでは済まず、タイムトラブルとなった。
でも解決した時のこの爽快感はたまらない。
自分の予定を優先してくださいと言われたけれど、そうしたら絶対に終わらなかった。クライミングジムの練習をサボってなんとかなった。
山を知らなくても、がんに無縁の人にも楽しんでいただくために注釈や写真の説明も丁寧に添えてある。表紙のデザインはカバーを外すと白銀のエヴェレストの写真が出てきてかっこいい。
本の帯は薫堂さんに書いていただき、大袈裟な感じではあるが、これくらいしないと本屋さんに並んだ時には目立たない。後は印刷担当や校正担当の方々に仕上げを託し、総括する敏腕編集者さんにうまくいきますようにと委ねることになる。
最後まで後を引いているのは読みにくい漢字のルビだった。どうしても漢字を使いたい、でも業界の基本ルールはふるのは一回だけという。そんなの嫌だ!と言っても修正は3回、1回目は自分の稚拙な表現の修正に時間がとられ、2回目はチグハグになった流れの修正、最後には村の名前が!!注釈の折り返しが!あれ?お願いしたルビは?
あっという間に期日に追われ最終原稿は投げ込む形で手が離れた。
そして出版日は3月26日となった。どこの書店にいつから並ぶのだろうか?どのジャンルになるのだろう?
万が一再版となる事があるなら、ルビを希望通りに訂正したい。
できるだけ多くの方に読んでいただきたいです。
よろしくお願いいたします。
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