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新しい体験

2025年も、残すところあと数日となった。

“エヴェレストに登ったら!”リストには、いまだ達成できていない項目がいくつか残っている。すべてを叶えるのは難しいだろうと、最近はそう思うようになった。

その達成した一つは、”何かの音楽を始める”だった。そして私は、ドラムを始めた。楽器を選ぶ際、選択肢には津軽三味線もあった。しかし、どこで習えるのか分からず、まずはドラムの体験レッスンに申し込み、そのまま練習を続けることにした。ところがつい最近、通っているドラム教室で津軽三味線も教えていることを知った。それならば、と体験を申し込んだ。バチの持ち方、三味線の種類、楽譜の見方などの説明を受けたあと、実際に音を出してみることになった。

津軽三味線特有の激しい演奏はできなくても、指先の感覚や弦を叩く動きは、これまでに体験したことのない刺激だった。ただ、ドラムを始めてから、音楽は日々の練習が不可欠で、たまに触れて楽しむだけでは身につかないとも感じている。ということで、すでに始めているドラムの練習に専念することに決めた。

とはいえ、ドラムのレッスンは、先生とのスケジュールがなかなか合わず、ほとんどが自主練習だ。たまにレッスンを受けると、新しい演奏が急に加わり、即興的な対応がまだできない自分を実感する。そのため、どの程度上達しているのかは分からないが、小学校以来すっかり忘れていた譜面記号を覚え直すこと、反復記号の理解はパズルを解く感覚など、脳への刺激が猛烈に嬉しい。次に進む基準が全くわからなくて、そのことをもどかしく感じることもあるが、今のところうまくできなくても楽しいと感じている。

そして、かなり漠然とした思いつきではあるが、いつかドラムをもっと演奏できるようになったら、津軽三味線と一緒に音を重ねてみたい。そんな妄想の延長の光景が頭に浮かぶ。

新しいことを始めるのは、ワクワクするだけではない。初めてなのだから、できなくて当然だと思える。その気持ちがあるから、格好つける必要も、恥ずかしがる必要もない。
だからこそ、心が弾む時間になるのだと思う。

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