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アフターサミット「7大陸北米編9」

風がなく晴天に見舞われた登頂日は全員が山頂に行くことができた。下のキャンプに降りる予定を変更して、ハイキャンプで一晩休んだその翌日の5日の下山となった。荷造りをして 埋めた荷物を掘り起こす。

他のチームより早く出発したいと頼んだが またまた最後の出発になってしまった。さらにリーダーのカーティスがお腹が痛いという、Dr.motoと相談して私の薬を渡した。

ハイキャンプからキャンプ4に降りる道は岩場があり傾斜のきつい道が続く。足取り重く移動速度が上がらないだけでなくチームのやりとりはギクシャクしている。アッセンダーの架け替えも今まで以上に困難を感じながら懐かしいキャンプ4に戻った。

この数日で雪の塀は崩れ、テント場の景色も著しく変わっていた。埋めた荷物の掘り起こしや不要な食料の廃棄作業には数時間かかり、その後下のキャンプへ向かった。歩き出すと身体がとても重たく感じ、疲れが現れた。今日の目的地はランディングポインなのに思うように移動ができずにキャンプ3に泊まることになった。

テントを張る場所はレンジャーステーション跡地、ここなら下を均さなくてよい。燃料が十分に余っていたから、たくさんの水を作ってもらい、暖かい太陽の元で頭を流したり身体を拭いたりくつろいでいた。

そこへヘリコプターがやってきた。撤収作業に来たけれど荷台にスペースがあるから私たちのゴミを運んでくれて、全体で運ぶ荷物が 50キロは軽くなった。その偶然なタイミングに歓喜が沸き、嬉しい気持ちに皆舞い上がった。山ではどんな事も楽しく受け止めることが大切、辛い事に囚われないように、挫けそうになってもなんとか冷静、慎重でいようと探る。

男子テントからはとても賑やかな笑い声が溢れていたけど、私のテントではあまり会話がない。そんな状況で一泊して7月6日ソリを曳いての下山を開始した。道がだいぶ崩れていた。下りでは後ろの人が前のソリを操るのだが、それがなかなか難しくてひっくり返えったり、谷へ流れたりと身体がふられる。私のグループは上手に操作して歩きに集中できたけれど、もめているチームもあった。そして、今度はデイブのお腹の調子が良くない、埋まっていたお菓子を食べてそれに当たったようだ。すったもんだしながらキャンプ1に着くと前回埋めた荷物の場所がわからなくな理、見つけるまでに1時間以上掛かってしまった。ここにはもう誰も居ない。目印の旗は倒れ、掘り積み上げた雪も崩れて消え、まるで廃虚のようだった。山の雪も溶け、辺りの景色もすっかり変わっていた。気温が上がって来たので移動を止めてテントを張って仮眠をした。そしてしばらく休んだ後に再び下山をした。しかし標高が下がるにつれ前が霞、視界が奪われた。このまま歩くのは潜んでいるクレバスがどこにあるのかが分からず危険だと判断し、ほかのチーム含め40人程がビバークすることになった。帰国予定日は7日、これで予定の飛行機に乗れなくなった。

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