コースデビュー

インドアゴルフレッスンに共に入会した知り合いと、ついにゴルフコースデビューを果たした。数ヶ月間はピッチングのみの練習に集中していたが、コースに出ることになり、最近になって慌ててさまざまなクラブを使用する練習にも取り組んできた。しかし、どのクラブを使っても飛距離に大きな差はなく、むしろクラブが長くなるほど軽くて当たりにくく、ミスが増えていった。そのため、コースで一体どうなるのかという不安が日に日に募っていった。練習を重ねるほど以前はできていたことまで乱れるようになり、直前の練習では、応援してくれていた周囲の人々も、無言で見守るしかない状態であった。
スタート前日、新たに購入したクラブを試そうとゴルフ練習場へ足を運んだが、その日は月に数回のメンテナンス日であり、試し打ちは叶わず、そのまま引き返すこととなった。迎えた当日は曇り時々雨の予報であった。早めに現地入りし、まずは練習場で新しいクラブの感触を確かめたが、よく分からなかった。続いてグリーンに移動し、パター練習を行った。普段からあまりパターの練習をしていないため、完全に感覚頼りのクラブさばきとなった。
その後、カートに乗り込み10番ホールへ向かうと、いきなりドライバーショットからスタートである。緑が広がる美しいコース。ボールを打つと、どこへ飛んだのか見失うこともあった。
ボールを打ってはカートで移動し、残りの距離を確認してクラブを選ぶ。同行してくれたプロからは「せっかくの練習だから、いろいろなクラブを試したほうがいい」と勧められ、3番ウッドのショットにも挑戦した。空振りもあったが、それ以降は調子がよく、練習したら得意クラブになるかもしれないと感じた。インドアのレッスンプロからは「女性は3番ウッドをあまり使わない」と聞かされていたため、誤って購入してしまったことを悔いていた。それに加え、持っている中古クラブと同じレギュラーシャフトを頼んでしまったことにも不安を抱いていた。まだゴルフのこともよく分からないのに、間違いだらけで始めることになるのではとかなり思い悩んだ。実際に使用してみると、特に問題は感じられず、今の自分のレベルではなんでも変わらないのだと実感した。
現在の自分には、登山で培った持久力と、クライミングで養った体幹力という土台があるだけで、「ゴルフ力」はこれから構築していく課題である。ショットの一打も、パターの一打も同じく一打であり、むしろコース全体を通じては、パターの比重が大きい。グリーン周りの処理や、バンカーからの脱出が、スコアに影響する重要なポイントであると感じた。
これまではがむしゃらにボールを打つことに集中してきたが、実際にコースを回ってみたことで、今後の練習内容は確実に変わっていくだろう。ボールが池に吸い込まれたり、隣のコースまで飛んでいってしまったり、ラフで見えていたはずのボールが忽然と姿を消したりと、ハプニング続きであった。それでも、すべての体験は緊張と喜び、そして笑いの混ざる、楽しいコースデビューとなった。
〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎
「がんとエヴェレスト」発売中
https://books.sekaibunka.com/book/b10132117.html
〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎ 〰︎