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ベースキャンプへ「7大陸オーストラリア編4(カルステンツ版)」

昨日と同じように空港で手続きを済ませ待合室で待っていた。すると10分後にヘリが飛ぶという。それだけでやったーという気持ちになった。

6:30離陸、高度を上げながらベースキャンプへ向かう。副操縦士は時々パイロットの顔の前で酸素缶を噴霧する、どんな効果があるかは不明。雲を避けながら40分くらいの飛行で午前7時過ぎにベースキャンプに着いた。

一気に4000mへ来たからか頭がクラクラしていた。気温はひんやり、風はない、水分補給に務め、ゆっくり動く。プライベートテントに入ってエアーマットを膨らませていたら、意識が飛びそうになったので休みながら少しずつテントの中を整えて行った。空港方面の山合いの空は雲で覆われ始め、あっという間にBCへの入り口が閉ざされた。今日はもうヘリは来ない、私たちのチームは分かれてしまった。

お昼過ぎに順応トレッキングにでかけると登りで息が上がり心臓がばくばくと体をうってくる。クラクラしたり頭がキューっと締め付けられるので休んでは呼吸を整えてを繰り返していた。反対側の目線の先にはカルステンツの山頂と下にはBCが良く見えた。山肌には人が降りて来るのも見えた。周りの景色を楽しみながら登るルートを確認してBCへ戻った。

アタックは明日、よほどの悪天でない限り雨でも登りにいく。出発予定は5時と打ち合わせた。しかし翌朝ダイニングテントに行くとまだ朝ごはんが出来ていなくて出発が6時15分に遅れた。歩き始めて15分取り付きに着くころ弱い雨が降り始めた。目の前にそびえる岩の壁にはフィックスロープが張られている。

そのロープにユマーリングをセットしてそこからは岩登りが始まった。私はポクシーと登り、カズは倉岡さんと行動を共にする。動き始めは体が慣れず息が苦しくなったりしたが、深呼吸とリズムを作り動いてたらだんだん慣れて楽しい気持ちでどんどん登り、10ピッチぐらいで尾根に出た。そこからはトラバースしながらワイヤーを歩くところもあった。

人生初のワイヤー渡りは雨で足元が滑りやすく、下を見るとどこまでも切り落ちた谷になっていた。落ちても大丈夫なようにカラビナを両サイドにかけていたが、ぶら下がってしまったらどうやってワイヤーに戻るのだろう。何よりも怖かったのはワイヤーもなく飛び移る所。そんなところが2箇所あり、落ちたくなくて思いっきり飛んで岩にしがみついた。

山頂には着く頃には霙まじり雨に変わり、辺りはガスに覆われて風も吹いてきた。

記念撮影をしたら体が冷えないうちに下山。来た道が雨で沢のようなっていたり滝のようになっているところもありそこを懸垂下降していると手先から水がつたい腕はかなり濡れてしまった。まるで沢登りのような状況で午後1時過ぎにベースキャンプに戻った。2017年10月19日オーストララシア大陸最高峰カルステンツピラミッド登頂。怖いところもあったけれどとても楽しい山登りだった。

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