投稿

アフターサミット「7大陸北米編8」

風がなく晴天に見舞われたアタック日は全員登頂の成功をもたらした。
下のキャンプに降りる予定を変更してハイキャンプで一晩休みその翌日5日の下山となった。パッキングをして 埋めた荷物を掘り起こす。

他のチームより早くでたいと頼んだが またまた最後の出発だ。
さらにリーダーのカーティスがお腹が痛いという、Dr.motoと相談して私の薬を渡した。

ハイキャンプからキャンプ4に降りる道は岩場があり傾斜のきつい道が続く。
足取り重く移動速度が上がらないだけでなくチームのやりとりはギクシャクしている。
ユマーリングの架け替えも今まで以上に困難を感じながら懐かしいキャンプ4に戻った。

数日過ぎただけで雪の塀は崩れ、テン場の景色も著しく変わっていた。
埋めた荷物の掘り起こしや不要な食料の廃棄作業に数時間、それから下のキャンプへ向かう。歩き出すと身体がとても重たく感じ、疲れが現れる。目標はランディングポインなのに思うように移動ができずキャンプ3に泊まることになった。

テントを張る場所はレンジャーステーション跡、ここなら下を均さなくてよい。
燃料が十分に余っていたから、たくさんの水を作ってもらい、暖かい太陽の元で頭を流したり身体を拭いたりくつろいでいた。

そこへヘリコプターがやってきた。撤収作業に来たけれど荷台にスペースがあるから私たちのゴミを運んでくれて、運ぶ荷物が 50キロは軽くなった。その偶然なタイミングに歓喜が沸き、嬉しい気持ちに皆舞い上がった。山ではどんな事も楽しく受け止めることが大切、辛い事に囚われないように、挫けそうになってもなんとか冷静、慎重でいようと探る。

男子テントからはとても賑やかな笑い声があふれていたけど、私のテントではあまり会話がない。そんななか一泊して7月6日ソリを引き下山開始。道がだいぶ崩れていた。下りでは後ろの人が前のソリを操るのだが、それがなかなか難しく、ひっくり返えったり、谷へ流れたりと身体がふられる。私のグループは上手かったから歩きに集中できたけれど、もめているチームもあった。そして、今度はデイブのお腹の調子が良くない、埋まっていたお菓子を食べてそれに当たったようだ。
なんだかんだとキャンプ1に着いたが荷物を埋めた場所がわからない、見つけるまでに1時間以上過ぎた。もうここには誰も居ない。目印の旗は倒れ、掘り積み上げた雪も崩れ消え、まるで廃虚のようだった。

山の雪も溶け、辺りの景色までもすっかり変わっていた。気温が上がって来たら移動を止めテントを張り仮眠をした。しばらくして再び下山する。しかし標高が下がるにつれ前が霞、視界が奪われた。このまま歩くのは何処にクレバスがあるのかが分からず危険だと判断し、ほかのチーム含め40人程がビバークすることになった。
帰国予定日は7日、これで予定の飛行機に乗れなくなった。

関連記事一覧

検索

新着記事