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アコンカグア「7大陸南米編4」2018年

ベースャンプでの生活はとても快適。15リッター分のシャワーが浴びれ、トイレは汲み取りだけど便座が花柄だったり嬉しい配慮がある。日中は高所順応のトレッキングをして体調を整える。ドクターチェックも問題はなく天気を調べながらアタックする日を探していた。
山の天気はいつも良い時は日中は暑く、日が落ちると一気に冷える。服装も半袖から日没後はダウンの上下を着込む。何度来てもここは星が見える日は空がキラキラになり音が聞こえそうなくらいに瞬きあっている。風が強い日にはテントが飛ばされて、雪が積もる日もあった。

C1キャンプへ向かう日は25日に決まった。上のキャンプでは自炊になるから食べ物などはポーターさんに頼んであげてもらう。体調は悪くはないけれども、少し緊張している気がする。おまじないを唱え出発間際には山頂方面を見据えて登頂のイメージを描いた。
お昼前にベースキャンプを出発、休憩をしがらC1に着いた。キャンプ場は貸し切り、テントを張ってもらい休息と明日のアタック準備。

今回の秘策は酸素。寝る時は鼻にチューブを当て、歩く時はマスクをつける。明日はここからアタックをする、通常ならもう一つ上のプラザコレラ(5970m)にキャンプを出すが私は高い所に寝ると肺水腫になる可能性が高いので距離が長くなってもC1から挑む。
朝3時前に起きて軽く食べたら出発だ。辺りはまだ暗く、ヘッドライトの明かりで進んでいた。歩き出しの1時間はマスクが苦しく感じていたがだんだん慣れ、コレラに着く頃には周りが明るくなりペースも整ってきた。キャンプ場には8張ほどのテントがあり人の姿はなかった。

上に登るにつれて人に会うようになり、傾斜もだんだんきつくなってきた。壊れた避難小屋から先が醍醐味だという。無言でひたすら歩く、風は弱く小さな岩屋で最後の休憩を取った。ここから始まるグランカナレータ、標高が6700mを超えていることにドキドキする。人は気にせず自分のペースを保つ。上をチラッと見ながらあと少しで山頂だ。急斜面の雪道が少し歩きにくいが倉岡さんの後に導かれるように1時間、ここが一番きつい、、、岩を登り抜けたら山頂へ出た。

よく晴れ渡り、360度の開けた景色。南米大陸で一番高い山アコンカグア、3回目でようやく頂きに来れた。それなのに想像したような感動は起こらなかった。喜びで涙が溢れるのかと思っていたのに・・・・。

15分くらい滞在して下山を開始した。下からは続々と人が登ってくる。とても苦しそうでみんな頑張っている。レンジャーの人も上がって来た、私に何かを言っているけど言葉がわからない。眼を指して必死の形相で訴えている。どうやらサングラスがないから危ないと言う、そうサングラスはテントに忘れてしまったのだ。
ケースだけで中身がなかった。もう下山していると説明してもとにかく注意が止まない。日本のコンタクトレンズは凄いんだと説明したら納得してくれた。登った道を引き返しキャンプに戻ったのは17時頃、登り8時間下り5時間の旅、その晩の夢には山頂の景色が出てきた。

2018年2月26日南米大陸最高峰アコンカグア登頂

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