ベースキャンプ生活3「エヴェレスト 〜7大陸アジア編11」2019年
4月24日 朝起きると辺りにはうっすらと雪が積もっていた。青く澄み渡る空の先に目指す山頂がすっきりと見えた。早朝からお腹の調子が悪く、何度もトイレに足を運んでいた。
午前中は特に何もしないで過ごしてお腹も落ち着いたので午後からはユマールトレーニングへ出掛けた。ヨーロッパチームは午前中に練習してその同じところで私たちも行う。
標高が5450mの岩場にフィックスロープを張ってくれていた。
一周回れるよう、登って、トラーバースして、懸垂下降をする。
練習する場所へゆっくり歩いて来ただけで息が切れていた。
荷物は背負わずのアルパイン岩登りの練習だった。けれども最初の岩に取り付くのもなんだか難しくて最初から変な力を使ってしまい更に息が苦しかった。
ユマール(登高器)にかなり頼りトラバースポイントまでで来たら体が重たくて動作が悪い。そんな動きを今後の登山に向け想像すると不安がよぎった。
1周して、ぐったりした。2周目で無になって、3周目で疲れ果てた。登り方には慣れたけれど、大丈夫なのかなぁと強く自分に問いかけた。
行き帰りと練習で3時間ほど、ベースキャンプに戻ると少し頭がキュッとなるので酸素を30分吸って休んでいたら楽になった。
ここにいると、時間はたっぷりあるのに何かをしようとすると億劫になる。
今日の努力は爪を切って、眉を整えるぞって張り切らないとできないのが不思議だ。
今晩からは寝る時は中のジッパーには鍵をかけておこう。そして、人のことを気にしないようにしようと自分に言い聞かせた。
今日の食事