プモリ・宿泊順応へ「エヴェレスト~7大陸アジア編30」2023年

昨夜はしっかりと眠れ、目覚める回数が少なかったから寝起きの顔はむくんでいた。今日はベースキャンプで何もしない日。お昼前にかつてアコンカグアで出会ったインドネシアのワヤンが遊びにやってきた。今回はトレッキングツアーの企画でベースキャンプで数日過ごしてから下山するという。高所の山で知り合った人とは違う高所の山で再会することが多い。
午後にはインドからのカップルが突然現れ「私、日本が大好き!住んでたこともある、私たちのテントはすぐそこだから遊びに来て!」「もっと日本語しゃべりたい!」と一方的に話して立ち去っていった。嬉しい出来事ではあったけれど、ここへ来るまでのロッジでは賑やかすぎるインディアングループに少しうんざりしてしまったので、あまり真摯な対応はできなかった。
今日はただ、ただ、ぼんやり、出された食事をいただき、他の人と会話をする1日だった。ベースキャンプにやってくるトレッカーさんの数は日に日に増えてきた。息を切らし、頑張ってやって来る彼らの姿を見ていたら自分の体がもう少しシャキッと楽に動けたらいいのにな、でも動けばまだ咳が出るから嘆かわしい。咳だけでなく、昨日歩いたことで足が筋肉痛にもなっている。
そして翌朝、これからプモリのキャンプに泊まりに行くことになった。5食分の食事を選び、必要な荷物を作ることになった。こういった急な荷造りは、私の場合は薬や衛生用品などの準備があるからどうしても時間がかかってしまう。昨日みたいに時間がたっぷりある時に知っていたならよかったのに!と考えても仕方ないので、今やるべきことに集中する。慌ただしく準備をして10時40分頃にべースキャンプを出発した。
歩き出すと一昨日よりも楽に動け、早い時間で着くことができた。シェルパさんたちは私たちのテントを設置してくれて重たい水を運んできてくれた。
午後はさらに上へ歩きに行って、およそ5900mの地点からテントへ戻ってきた。テントの中に入ってからは荷物を開けたりぼんやりと過ごす。少し目の前がクラクラしたり、あくびが出て、軽い頭痛もある。高所順応は簡単にはできないものだとつくづく感じた。夕方になるとクラクラ感が増して頭が重くなるだけではなく鼻も詰まってきた。夕食に選んだフリーズドライのカツ丼がとても美味しくて、それを食べたら体調が少し良くなった。このまま順応よ進んでくれ!と願い、夜はテントの中で電子書籍を読んでいた。この場所はヘリの音が聞こえなくて久々に静かな山の生活となった。