大晦日 2025
2025年も、気がつけばあとわずか。今年は、人生で自分でも想像していなかった出来事が次々と起こった一年だった。
年明け早々に始まった出版書籍の校正作業は、提出期限に追われながら春まで続いた。小学生の頃から一番苦手な教科は国語。そんな自分が、本の中の漢字やひらがなの表記を揃え、’てにをは’を確認し、何度も読み返し、声に出して読み、暗記してしまうくらいに読み返した。なのに、『完璧だろう』と思った直後に、必ず見つかる新たなミス。不思議だが、なんで?こんなに確認したのに?と思ったところで、回避できることではなかった。私の思いがあっても、出版や印刷の決まり事とは合わずにかなり気落ちした時期もあった。それでも一般人が本を出版する機会など人生にそう起こることではない。そう思うと、目や脳の疲れなどは愛おしくてならない。

ラジオにも初出演した。生放送という緊張感の中、『それは内緒で……』『それは違って……』といった思いを何度か飲み込み、うまく話せなかった自分を後から深く反省し、心の中でなかったことにした。それでも、3局へも出演させていただけたのは、これもまた一生の思い出となった。

ゴルフは、平らではない芝生の上から打つことに、まだ全く慣れていない。とはいえ、コースデビューを果たし、そこから数回ラウンドすることができた。
空振りもあったショットは少しずつ当たるようになり、飛距離は伸びた。するとOBも増え、ボールもよく消え、結果として距離が伸びた分、ショット数も増えた。つまりスコアは期待と逆の方へと伸びている。

すっかり大好きになったドラムの練習について人に話すと、決まって相手は目を丸くし、一瞬会話が止まる。その沈黙は、まるで楽譜に出てくる休止符のようで、なぜか次の会話には弾みがつく。音楽にも会話にも、間というものは大切なのかもしれない。

入院治療などはまた一つ手術歴を更新した。自慢できる話ではないが、病院にお世話になっていると異変に早く気がつくきっかけが増えるので、それは運の良いことだと思う。癌の検査では、今のところ転移と再発が認められなかったことは体調に関して一番安心したことである。
振り返ると、なぜか得意ではないことへの挑戦ばかりだった。不安で立ち止まりそうになったり、倒れそうになったことも一度や二度ではない。それでも、どの出来事も後から思えば貴重な体験だ。
私の人生のシナリオは、自分の想像を大幅に超えてくる。今後も同じような展開が待っているなら、可能な範囲で臨んでいきたい。

喜ばしい新しい出会いもあり、そして残念な知り合いとの永遠の別れもあった。
2025年は巳年。その名の通り、脱皮するように変化と成長の年だったのかもしれない。
つらかったことや大変だったことはここに置いて、新しい年を迎えたい。
一年間、本当にありがとうございました。
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