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ベースキャンプへ下りる「エヴェレスト ~7大陸アジア編20」2019年

5月5日、朝ごはんを食べて荷物をまとめた。力のいる作業や動作は息が苦しくなり隊長にパッキングを手伝ってもらった。準備が整いA.B.C.を出発したのは9時半を過ぎていた。


足元はガラガラ、ザラザラしていたり、斜面の所々はツルンツルンに凍っているから気を抜くとずるっと滑る。上がってくる時は体を慣らすために中間キャンプで一泊したけど、下る時はBCまで1日で降りる。14時過ぎに中間キャンプに着いて、ここ迄は比較的楽に歩けた。

お昼休憩をして再びBCへ向けて気持ちを引き締め直す。広大な景色の中にいると、いつもながら歩いても距離が縮まった感じがしない。あと半分、動いていればいずれ着くと何も考えずにただただ足を動かしていた。気晴らしにスマホから音楽を鳴らしてみたら少し気持ちが上がって、体もちょっと楽に感じた。


標高が下がれば楽になると思っていたが、歩けば歩くほど疲労がたまっていくようで、体は重たく、歩いても歩いても辿りつけない感覚だ。

太陽が山陰に落ちる時間になると気温が一気に下がり、辺りも次第に暗くなってきた。

もう直ぐ着くとわかっていても、頑張ろうと何度も思い直さないと気が削がれてしまう。ザクザクいう足音を聞きながらベースキャンプの端についた頃には足が棒のようになって、残る力を振り絞りテントのあかりの方へ向かった。20キロ近くの道のりはとても遠かった。

自分のテントに荷物を置き、ダイニングテントへ向かうと大きい部屋に変わっていた。BCキャンプに戻り、ひとまずの安心と疲れすぎた体にもう何もわからない状態になっていた。

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