中間キャンプ(I.R.C.)へ再び「エヴェレスト ~7大陸アジア編33」2019年

昨夜も風が強かった。早めに横になっても寝るまでに時間がかかった。いつもと同じ時間に朝食を食べ、自分のテントで友人からもらったお守りを握り締めてながら出発前の最後の準備をした。カリーの情報によると、未だに今後の天気予報がはっきりしないという。チームのメンバの準備が整い10時過ぎにベースキャンプを出発した。
遠いことはわかっている。だからその事は考えず足を前に進めていこう。最初は特にゆっくりな歩きで始まった。これまでの経験と高所山行知識から、慌てる、急ぐは禁忌事項。呼吸を乱さず、最小限のエネルギーで動いて疲れないのが望ましい。
見覚えのある景色を見ながら進んでいると、確かに前よりも苦しくない。休憩も少なくても大丈夫。それでも加速せずに体力を温存する。荷物運びのヤクにはいつも追い越されていたけれど、今回は追いついたりもした。
そんな事が感じられると気持ちが軽くなった。前回向かったのは4月28日、それから2週間以上が経っていた。体が高所に順応しているみたいで、中間キャンプまで6時間かからずに来られた。前回と比べ体の苦しさがなく嘘のように楽になっていた。ヨーロッパ隊とダイニングテントを共有し寝るテントは早い者勝ちで選ぶ。
トイレブースは一か所、中は大きめの岩穴に落とすように使用する。ここはあくまでも中継地点で1泊するところ、食べたら寝るだけの場所である。寝るとき以外は座れるダイニングで過ごしていた。アタックは予定通り24日かそれとも延期されるかはわからない。明日はA.B.C.へ向かう。