夏山歩き
久々に山を歩く練習に行ってきた。
地球最高峰の山を目指すならどんな練習や準備がいるのだろうかと改めて考えてみたい。
準備段階なら自分の望むタイミングで体調や気持ちに合わせてやっていきたいと思う。
しかしどんな事であってもそんなふうにはいかないのである。
特に山歩きは天候に左右され、次に自分の体調だったり気分にもよる。
この日も天気予報では登山にとても適した日で曇りとなっていたけれど歩き始めると小雨が降り始めた。
風がなくて雲の中にいるからかシトシト降る雨の止む気配はなかった、
行き先を最短ルートの上富良野岳にしても気持ちの張り合いがなんとなくでない。
近くの山を天気のすぐれない日にわざわざ歩く必要はないからいつでも帰る気持ちで歩いていたら小雨に潤う草花が綺麗だった。
それを見ていたらやはり山はいいなと感じた。
岩の上や沢沿いを進み残雪を踏み抜いてはヒヤッと驚いたり自然の中にいるとワクワク感が楽しい。
天気に恵まれなくても気分は少しづつ上がってきた。
ただ足元が浮いたような感じがあって靴を見てみるとソールが剥がれてきた。
歩くたびに踵がパカパカと浮いてしまう。
今回はダクトテープなどの補修剤は持って来なかった。山頂まで行けるかを気にしながらも足置きを慎重にスパッツのゴム紐を頼りに歩いていた。
山頂はいつもの事ながら風が強い、
見晴らしも望めないので風の来ないところへ降りてお昼休憩。
靴の状態を見ると両足が剥がれてきていた。
とにかくとても歩きにくい。下りで体重が乗るとソールが完全に取れるのではないかと気になってならない。
それでも戻るしかないので気を張って慎重に歩いていた。
理由がそれかはわからないが途中で右大腿部が攣り始めた。太ももが攣るとかなりの痛みで声が出るほどである。動けないままツムラ68番を口に放り込み、治ってからは塩飴を舐めながら登山口へ戻った。
戻る頃には雨はすっかり上がっていた。
ソールが剥がれている人をたまに見かけるけれど事前準備がされていないからと人ごとに思っていた。きちんと確認ができていないのは自分だった。
10年近く履いた靴には踏破した山の思い出がたくさん詰まっている。