カトマンドゥでの日々「エヴェレスト~7大陸アジア編15」2023年

次に山へ入るための休養ではのんびり過ごしながら、少しづつ準備を進めていた。
まずはタムディンと洗濯屋さんへ行き、洗濯物をどさっと出して来た。料金は重さで決まり、私は455ルピー支払い翌日に受け取り完了。
市場やスーパーへ買い出しに行き、両替をして美味しい物を食べる。体を動かさない日は3食きっちり食べなくてもお腹は空かない。むしろ食べ過ぎてしまわないように、日本から持って来たレトルト食やナッツだけでも十分である。ネット環境が良いうちにドラマや映画を沢山ダウンロードして、荷物の仕分けもしながら次回の寒さ対策を探って過ごしていた。
3日目は映画を見ながら17時過ぎに寝落ちしてそのまま朝まで眠ってしまった。
疲れは少し遅れて出るようで毎日とてもゆっくりしていても少し喉に違和感が出てきた。
数日ぶりに繁華街のタメル地区へ出かけ、ヘンリーと一緒にお昼を食べることになった。酔っ払ってシャワー室で転んだ話を陽気に話していたが彼は高所登山に欠かせない酸素タンクの充填や販売を牛耳っている有名人である。以前は何か怪しい商売をしていたとも聞くが、今では酸素の売人となった。酸素は高所では薬のようなもので良質なものがいい。皆高くても安全で確かなものが欲しいのだ。
エヴェレストへ向かう荷物の準備の方は着々と進んでいたが、やはり体調が怪しくなってきた。喉はむずむず、何かを食べると下痢になる。寒かった山から暑いカトマンズに戻ったことに体が馴染めないでいるようだ。睡眠はたっぷりと取れているから早く治れと願いつつ、4月8日の夜に今回のメンバーが集合した。
翌朝全員揃ってダイニングで顔を合わせると日本から来たばかりの二人はとても元気で、これから挑むぞという意気込みが溢れ出ていた。朝食の後はAkkyの誘いでダルバール広場の生き神様(クマリ)に会いに行くことにした。渋滞にはまり予定よりも移動に時間がかかってしまった。姿を現す予定時間は過ぎてしまい、もう会えないと思いながらもタクシーを降りてとにかく館へと走った。走ると息が苦しくて完全に風邪をひいていることを自覚した。美しい彫刻の館の中庭に入っていると人が集まり出して、しばらくすると3階の窓から伸びをする感じでクマリが20秒ほど顔を出してくれた。
撮影は禁止でクマリが外に出られるのは年に一度のお祭りの日。それ以外は学校へも行かず、役割の終わりとなる初潮を迎える日まで館の中だけで暮らしている。後から知ったのは、館の守人にそれなりの額のお布施を渡すと現れてくれるようで団体旅行者がいる時がチャンスでという。偶然そんなチャンスに巡り会えたから、何かいいことが起こるのかもしれないと期待が膨らんだ。それが登頂を果たすことになってほしい。