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山小屋生活「7大陸ヨーロッパ編3」2018年

アザウの町(標高2200m)でよく眠れるようになったのに今日からは標高3900mの小屋の生活が始まる。
ゴンドラに荷物を乗せて、終着駅からは雪上車で小屋へ向かった。
他の人がやって来る前に気に入ったベッドの場所を決めて小屋でお昼を食べた。

ボルシチが出てきてとても美味しい。日本を出る前に懸念していたまずい食事はなさそう。午後からは高所順応に避難小屋(4100m)まで歩き小屋の中で休憩。小屋番が今日はもう下山するというので長居はできず、15分ぐらいで私たちも下の小屋へ戻ることにした。

この町へ来てから山頂が晴れ渡ったことがくて上の方はいつも雲に埋め尽くされている。太陽が隠れているからなのか、気分が晴れないだけではなく横滑りする雪に少し苛立っていた。私たちの脇をスキーヤーを乗せたスノーモービルが走り抜けていくとその排気ガスの匂いが鼻を強くついた。雪上車の轍のところは足がズブズブと取られてる。ウラジミールはいつも歩くのが早い、私は気にせず順応するためにもゆっくりと動く。

小屋に戻り部屋のドアを開けると中に人が増えている。カザフスタンの人達で賑やかで話す言葉は聞いたことのない音でその体の大きな存在感に圧倒されていた。小屋は寝る為の棟が2つ、ダイニングキッチンの棟とトイレ・洗面場の棟がそれぞれ独立して立っている。人気の小屋でいつも満室なようだ。夕食になるともっと色々な国のひとたちが集まっていて広くないダイニングエリアは背の高い人たちの威圧感で満たされていた。

翌朝は4時過ぎに窓から光が差し込み目が覚めた。窓の向こうには初めて見るエルブルース、雪を綺麗に被り可愛らしい姿で想像よりも大きな山がそびえている。

朝食までまだ時間があるので布団を被って陽の光から隠れるようにもう一度横になった。夜はそれなりに休めた、ただピーボトルを使う場所には困った。カーテンはないし、居間の部屋には誰かが来るかもしれないから・・・。8時に朝食、準備をして今日の順応に出かける。スノーモービルに乗り昨日歩いた小屋の近くで降りた。そこからパスツーコフロック(4800m)を目指して歩く、目指す岩はかなり遠くに思えるけれど天気が良くて気持ちのやる気スイッチが入った。山頂を睨み、登るぞ!っと気合も入れ、岩のところで30分ぐらい休み周りの景色を眺めてから歩いて戻った。

この日はとても歩きやすく気分良く小屋に戻ると遅めのお昼を頂いた。天気予報からしてアタックは明後日、明日が最後の高所順応の日になりそうだ。部屋にいるとカザフスタンの人たちがGoogle翻訳を片手に色々話しかけてくる。楽しいけれど自分に集中出来ないし、私には色々と心の準備が必要だからと途中から倉岡さんにお相手を任せた。そして私が睨んで拳を握った峰ではなくてその奥にある峰を目指すのだと知る。明日の順応で睨み直しに行かなくては・・・。

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