ベースキャンプでの日々「7大陸南米編4」2016年

プラザデムーラス(ベースキャンプ)にはアコンアグアを目指す人や、登って降りてきた人など数百人の人達が泊まっている。個人で来ている人や荷物を全て自力で運んで来る人もいる。私は登山家ではない、可能な限りのサービスを全て利用したい派だ。設備の整ったキャンプ場にはインターネットに充電サービス、お湯のシャワーも有料で利用することができる。ベッドの入った有料テントもあった。(行く前に知っていたら利用したかった。) 診療所もあって、ここでのメディカルチェックをパスしてから上のキャンプ地へ移動しなくてはならない。昨日遊びに行ったテントはとても広くて大きかった。
その大きなテントにはヨーロッパからのメンバーが多く、冒険好きな実業家、山好きなセレブに国の代表チームだった。話題のスケールも大きくてただただ驚くばかり。各国の人たちには日本語が通じない、学生時代に学んだスペイン語はほとんど忘れてしまい、懐かしい音だと感じるだけで会話の役には立たなかった。ここでの食事もスープしか口に合わなくて、隊長が持ってきてくれた食品でしのぐ毎日。山では食べるものは全てがご馳走というけれど、どうしても受け入れられない。バーベキューの時は美味しくてお肉も野菜も何度もお代わりした。
南米の人々が大好きなマテ茶を飲んでいるとその飲み方に不思議がられた。マテカップに茶葉を入れお湯を注ぎボンビージャというストローで飲みほし、お湯を継ぎ足してから次の人へ回す。受け取る時にはありがとうと言ってはいけなくて、かき回してもいけないというのが作法だという。マテを交わすことは仲間であり友好を交わしたことになる。しかし私たちは同じストローで回し飲みすることに躊躇して、それぞれのカップで飲んでいたので、彼らの伝統に敬意を払いながらも日本式なんですと答えた。
ここでの生活で大切なことは食事と睡眠とトイレ。水分をたくさん摂っているので夜中にもトイレに行きたくなる。寝袋から出てから上着を羽織り、靴を履いて寒い外のトイレに行くと目が覚めてしまうだけでなく、かなり面倒。私たちは夜間はテント内でおしっこはボトルに貯めることを教わった。水筒に使うボトルに貯めるのだけれど(もちろんピーボトル専用にして)初めはうまくできなくて気が焦ったが、慣れてくるととても便利。貯めればどのくらいの量がわかって、色や不純物の確認ができるので体調を知る目安にもなる。
山に来て自然の中で過ごしていると、皆とは人生論でも語るのかと思われがちだが、私たちは相当真剣になトイレ話が多かった。