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プジャ「エヴェレスト~7大陸アジア編29」2023年

空を見上げると真っ青に澄んでいた。今日は食事をすませてから登山の安全を祈願する”プジャ”が執り行われる。祭壇に各々の登山に使用する靴や道具を供え、登山する人と共にお坊さんが祈祷してくれる。シェルパさんたちはこの儀式をとても大事に思っているので何も言わないと2時間の儀式にもなるそうだ。その想いを大事に受け止めながらも時間は短めでと頼んだ。


太鼓やシンバルの拍子が始まり、お経が唱えられた。特別な木を焚いているのか目の前が見えなくなるほどの煙が立ち昇っていた。風向きが変わり顔に掛かると風邪をひいている私は激しく咳き込んでしまった。そう言えば下のお寺での儀式では寒さをこらえていた、大事な儀式には多少の苦しみを伴うものなのだと思った。唱えの後半に顔に粉を塗られ、お坊さんの前に行くと首に紐を巻いてくれた。


手渡されたお米を全員で空に投げて乾杯をして一通りの儀式が終わった。

午後はベースキャンプ内の散歩に出かけた。話は聞いていたけれど、他の隊のキャンプの規模とその設備には驚かされた。個人用のテントは広くて、テントの前の道は平らに整備されていた。
公共スペースの床も下に厚い板が敷かれているのか平らだった。豪華なテントを外から覗くとベッドには電気毛布、ソファーやストーブなども置かれていた。

そういうテントに泊まりたいわけではないが5300mの地でも格差が歴然としていた。メンバーのみんなはコロナ禍で日頃のトレーニングや準備を重ね、感染が収束しないうちに渡航してきた。必要経費は高騰しただけではなく円安が加わり費用の工面は大変。だから皆言わずとも同じ事を考え少ししゅんとなってしまった。でも次の瞬間、こじんまりした私たちの隊だけども上のキャンプ地での練習になると思えばいいよと言った。今から慣れておいた方が今後のためになるという事で一致団結。コロナ禍で他のエージェントのサービスが変わり、私たちはそれには取り残されてしまっただけ。メンバーの経験は豊かで、シェルパさんの実力にも信頼がおける。

それよりもどこまで行けるのだろうか?歩いたりするとまだ咳がぶり返す。
チベット仏教の神様に儀式を捧げ、たくさんのお布施をした。お坊さんにおいてはバックパックに詰まった各隊からの札束を背負って無事に下山して欲しいと願う。

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