投稿

キャンプ3へ「エヴェレスト~7大陸アジア編40」2023年

キャンプ2の夜は寒かった。寝ている間のトイレ回数も増えて標高に順応してきているのか、ダイアモックスの薬の作用かはわからない。ジェットストリームで崩壊したトイレはアンプルバが建て直してくれていた。中の方は変わらず、いや以前よりも当然排泄物は増えている。ここのトイレはタンクを使用していないから最後は埋めてしまうのだろう。
朝食を食べて、時間が掛かりながら準備をして10:30頃に出発した。

キャンプ2のサイト内では他のチームのテント場の合間を拭いながらごろごろとした岩場を歩いていた。そこから前回途中まで行った雪原を過ぎると急な斜面が始まった。風がないだけでとても歩きやすく、高所順応中に飛ばされないように踏み締めていたのがまるで嘘のようである。

キャンプ3への道のりは急斜面ばかりが続く。急であるとユマールの掛け替えは比較的やり易い。しかし後ろを振り返ると凍った斜面の下の方へ引き込まれそうな感覚になった。

ペンバーの動きは昨日よりさらにゆっくりだ。歩き方はシェルパさん特有の動きで、ある程度早足で進んだら、立ち止まり、ももに腕をついて呼吸を整える。これを繰り返していくので同じように後ろをついていくと非常に歩き難い。重い荷物を無酸素で運ぶにはそうしないと動けないのだと言う。私は私でしょっちゅう止まらないペースを作るためにゆっくり歩いていた。そうしないと酸素を吸っていても今度はこちらが参ってしまう。

5時間程の登りでキャンプ3に着いた。緩やかな斜面にたくさんのテントが張られていてテント同士の間はくっついていた。泊まるテントまでの狭い道ではテントを固定する紐に足を引っ掛け、転びそうになった。他のチームのテントと共有で中にはフォークやゴミなども残されていた。ここからは1つのテントを二人使いとなるので私は倉岡隊長と一緒のテントに入った。太陽が上がっている間はとても暖かく、テントが段々状に配されているので目の前の景色は開けていた。飲み物を飲んだり、食事をしたりと中にいるととてものんびりした時間で楽しい気分にもなっていた。大好きなポックルカレーを頂いたチョモランマ腕に入れて日本で待っている人達をほわっと思い浮かべた。

水分を積極的に摂っていてもキャンプ2を出てから17時までトイレに行っていない。脱水中だ。それでも人生初の標高7100mに来れたことは感謝でしかない。


天気予報や他の情報を元に、明日は朝5:30に最終キャンプ地へ向かう事になった。朝食用のお湯は3時半頃に持ってきてくれるという。明日に備えて早めに横になり寝る事にした。寝ていると夜暗くなってからもキャンプ3にやってくる人達が多く、話声が聞こえ、近くを通るヘッドライトが眩しい。
夜中のピーボトルをしながら、朝の大の方はどこですればいいのか?とぼんやり考えていた。なるようにしかならない、なるようになる。

関連記事一覧

検索

新着記事