ベースキャンプ生活 後半2「エヴェレスト ~7大陸アジア編21」2019年
5月7日、昨晩は21時過ぎから大きな音楽が聞こえていた。どこかのチームが聞いていたのだろう。今の私はそういう事を楽しめるとはとても思えなかった。夜間に起きる回数は少し減り、トイレの回数も減った。何もしていなくてもお腹だけはよく空いた、しかし食べるとすぐに下ってしまう。食当たりではなさそうなので下痢止めを服用する事にした。
今日もレスト日。シャワー給湯器が新しくなったとはいえ浴びると寒い。だからお湯の入ったバケツを運んでもらって髪の毛だけ洗うやり方に戻る。やはりこれが一番良くてだいぶ気分がスッキリする。
下山中のことを今日も頭の中で振り返りかえっていた。歩いているときは呼吸するだけで喉が極度に乾き上と下が張り付いていた。飴を舐めると大丈夫になるが舐めていないと咳が出て違う苦しさが加わった。飴が溶けすぎないように、舌が切れないようにと歯と口の間に挟んでいたけれど飴を舐め続けていると歯が溶けてしまうのではないかとも思った。山を歩くときの行動食にはナッツ類が好きだからここエヴェレストでも食べてみたら噛み砕いたナッツが喉に引っかかる。うまく飲み込めずに顔が真っ赤になるくらいにむせて内臓が飛び出すかと思うくらいに苦しかった。だからナッツは行動食から外す事にした。
テント生活では鼻腔内の乾燥も激しく、毎日鼻が詰まる。生理食塩水のスプレーを何度か鼻の中に吹きかけて鼻を噛むと血液混じりの大きな塊が出てくる。これが出ると鼻が楽になって呼吸がしやすくなるが、鼻が詰まったままでは苦しくて眠ることもできない。スーさんは鼻うがいのスプレーを持って来ていてそれがとても羨ましかった。
唇に何も塗らないと、ピキッと切れ喋ったり食べたりすると痛くなったり、サングラスをかけ忘れるとコンタクトレンズが乾燥で視界が曇った。指の爪の脇が切れて突き刺さる痛みに悩み、猛烈な乾燥状態であれやこれやと痛い。保湿するしかない・・・・。
食べて、お茶飲んで、お菓子をつまみ、お昼ご飯。3時のおやつの合間には読書。パズルゲームもいいけれどあまりよく頭が回らない。
何もしなくてもすぐに夜になる。
力が養われるように、栄養をつけて、疲れが抜けて欲しいと今日も願う。