年越しはベースキャンプ「7大陸南極編2」
ユニオングレーシャー(UG)からベースキャンプ(BC)へはプロペラ機で移動。2016年12月30日にBCに入った。ここからは自炊し毎日たくさんの水を作るのに忙しくなる。とは言っても燃料がホワイトガソリンで扱いが面倒なため倉岡さんと田村さんが準備をしてくれた。テントを燃やしてしまったら命とりにもなるので任せた方が良い。
大晦日は蕎麦も食べ久々の出汁の味が嬉しかった。お正月に南極にいること、素敵な仲間と一緒にチャレンジすることが素晴らしくてウキウキしていた。元旦は私の誕生日で皆さんがケーキでお祝いをしてくれた。
楽しい嬉しい時間が終わると午後からはロウキャンプへ移動となった。自分たちで荷物を背負いソリを引いていく。荷物は個人のものと共同装備がありそれらを分担して運ぶ。ソリ引きは初めは楽しかった。しかしだんだん引っ張って歩くのが大変になって来た。クレバスに落ちないように7メートル間隔でロープに繋がって道を逸れないように歩く。道標べには旗が立てられ一本の旗を越えるとその先に次の旗が現れる。
真白な世界、進んでも進んでもたどり着かない不思議な感覚。途中で腕が痺れてきた。ザックのベルトが手術したリンパ節を圧迫している。『これは・・・まずい、また浮腫に?』とよぎる。荷物を減らしたい、でもみんな荷物が多いのだ。緊張状態になってしまったがサブリーダーにガソリンを1缶持ってもらうとなんとか歩けるようになった。こんなに荷物を運ばないといけないなんて知らなかった。
何も考えずひたすら歩き続ける、無の境地に入ったりしながら7時間以上ようやくローキャンプに着いた。太陽が沈まないから明るくて着いた時間は22時前だった。
お祝いの後はソリ引き続けるそんな誕生日は一生忘れない。